【都市の個性〜国立市、千葉市と知立市の違い】
今回、国立市と千葉市を訪問すると、両市とも「都市の個性」を強く打ち出している点が印象的であった。しかし、その方向性には大きな違いがある。
国立市は「文教都市」として教育・文化を中心にまちづくりを進めている一方、千葉市は新市庁舎整備やプロスポーツを軸にした都市活性化を進めている。
国立市では、JR国立駅から伸びる大学通りの景観が象徴的であり、落ち着いた街並みや緑の多さから、教育と文化を重視してきた歴史を感じた。市内には一橋大学をはじめ教育機関が多く、学生や研究者が行き交うことで知的な雰囲気が形成されている。また、高層建築を抑えた景観政策によって、住環境と文化的価値を守ろうとする姿勢が見られた。「文教都市」という言葉は単なる名称ではなく、市民生活や都市景観に反映されていると感じた。
一方、千葉市では近年完成した新市庁舎が都市の新たな象徴となっている。新庁舎は防災機能や行政サービス向上を目的として整備され、近代的で開放感のある建築であった。さらに千葉市では、行政施設だけでなく、プロスポーツとの連携による地域活性化が大きな特徴である。プロ野球の千葉ロッテマリーンズや、サッカーのジェフユナイテッド千葉など、スポーツチームが地域のブランド形成に大きく貢献している。特にZOZOマリンスタジアム周辺では、試合開催日に多くの人が集まり、地域経済や観光にも影響を与えている。千葉市は老朽化したスタジアムの再整備や新球場構想を進めており、「スポーツを核としたまちづくり」を重視している。
このように比較すると、国立市は教育・文化による静かな魅力を育てる都市であり、千葉市は行政機能の強化とスポーツ・エンターテインメントを活用したダイナミックな都市発展を目指していることがわかる。両市を訪問したことで、都市はそれぞれ異なる資源や歴史を生かしながら独自のまちづくりを進めていることを実感した。
では、知立市における「都市の個性は?」と思う。知立市にも「都市の個性」はあるが、国立市のように「文教都市」、千葉市のように「プロスポーツ・湾岸都市」という全国的にわかりやすいブランドが強く見えにくい、という点は確かだと思う。
知立市の特徴は、むしろ「交通結節点」と「歴史」にある。東海道五十三次の宿場町、名鉄名古屋本線・三河線が交差する交通の要所…。知立市は、ベッドタウン、乗換駅、工場周辺都市としての役割は大きい一方で、「知立といえば何か」が整理され切っていない印象がある。
また、駅周辺の再開発も長期化しており、都市景観としての統一感や象徴性がまだ形成途中で、便利ではあるが、「降りて歩きたくなる中心性」が弱いと感じる人もいる一方で、逆に可能性もある…
知立市は、「個性がない」というより、『個性をまだ十分に言語化・演出できていない都市』なのか?と思う。問題は、それが市民にも外部にも『物語』として共有されていないことかもしれない。
愛知県知立市 市議会議員 中島清志 公式サイト