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【令和8年度知立市施策・予算への会派提言書】

提言テーマは、「通過するまち」から「選ばれるまち」〜知立市の都市アイデンティティ再構築に向けて〜

本日、知立市議会篤心会として、石川智子市長へ令和8年度知立市施策・予算への会派提言を行いました。提言の中身は、35項目にわたっていますが、会派の想いを以下にまとめました。

知立市は、交通の要衝という地勢に恵まれ、市民に高い移動の利便性を提供している。しかしながら、この利便性の高さは、市外での就業・消費・余暇活動を助長し、市民の生活基盤が市外に依存するという構造的課題を生み出している。結果として、市民の地域社会との接点が希薄化し、本市が「ただ住む場所」と化す傾向が強まっている。

このような状況は、次世代を担う子どもたちの郷土愛の育成にも影響を及ぼし、「親が地域と関わらない → 子が地域に愛着を持たない → 成長後に市外へ転出する」という負の連鎖を招いている。

いま求められているのは、この悪循環を断ち切り、「ただ住むまち」から「心から帰属できるまち(ふるさと)」へと転換を図ることである。その実現に向けては、次の二つの柱が不可欠である。
1. 積極的な企業誘致による雇用の創出
市内に安定した就労の場を確保し、生活の基盤を地域内に取り戻す。

2. 市民が“市内で過ごしたい”と思える魅力的な居場所づくり
文化・歴史・自然など、地域固有の資源を磨き上げ、誇りと愛着を育む場を形成する。

これらの取組を通じて、本市は「通過するまち」から「選ばれるまち」へと都市アイデンティティを転換させることができる。職場、住宅環境、子育て、買い物、余暇といった生活機能を市内にバランスよく配置し、市民の生活循環を地域内で完結させることが、持続可能な発展の基盤となる。

その鍵を握るのが、市民の地域に対する誇り――シビックプライドの醸成である。これは短期的な施策で実現できるものではなく、10年単位で継続すべき息の長い取組である。しかし、知立市の将来世代に豊かな地域社会を引き継ぐため、今こそこの課題に真正面から取り組むべきである。

我々の提言は、この決意のもと、市民の「愛着」を「誇り」へと昇華させるための道筋を示すものである。

令和8年度知立市施策・予算への会派提言書

愛知県知立市 市議会議員 中島清志 公式サイト